2018年1月19日 金曜日
産後股に何か挟まったような感じがする…もしかして骨盤臓器脱かも!?
骨盤臓器脱(性器脱)これらは産後以外にも起こり得ますが、ここでは産後に起こる骨盤臓器脱特に子宮脱について解説して行きたいと思います。
産後股に何かが挟まった感じがする
排尿や排便で不安感がある
尿もれがなかなか改善しない
陰部が引っ張られている感じがする
これらがよくある骨盤臓器脱の症状です。
膣内に下垂あるいは膣外に脱出することを言います。
ほとんどの場合臓器そのものに問題があるわけではなく支持機構である線維組織や骨盤底筋群、膣壁が脆弱化することで起こります。
単発ではなく併発することもよくあります。
膀胱瘤が82.3%、直腸瘤が45.6%そして子宮脱が37.0%というデータが発表されています。
アメリカのデータによると80歳までの女性の40%が罹患するようです。
結構な高確率ですね。
「股に何かが挟まっている感じ」
「股が心許ない感じ」
「陰部が引っ張られ重い感じ」
「椅子に座った際にグニュっとした感じ」
「陰部に卵のようなものを触れる」
などと行った感じです。
横になると症状を感じない
午前よりも午後に症状がます
と行った症状も特徴的です。
そして、妊娠、分娩
程度は違えで経腟分娩を経験した女性の50%に骨盤臓器脱があるとされるそうです。
それらは骨盤底筋群の損傷や断裂、神経の損傷などが原因となります。
未産婦に比較して8.4倍となるそうです。
便秘、肥満、慢性的な咳やくしゃみもあります。
これらが絡み合って骨盤臓器脱、子宮脱などの症状を出します。
手術と保存療法
ー手術ー
病院では程度が重度の場合やトレーニングなどの実施が難しい場合は手術を推奨されます。
手術は骨盤底の中にメッシュを入れて脱出した臓器を支える方法や筋肉や靭帯をポリプロピレンテープで
補強して固定する方法がとられることが多いようです。
ー保存療法ー
保存療法は
リングペッサリーを挿入する
サポート下着を着用
薬物療法(ホルモン補充、漢方)
骨盤底筋群などのコアシステムのトレーニング
などです。
ここでは骨盤底筋群PFMなどのトレーニングについて解説していきます。
HagenやBraekkenらの報告によると
症状の頻度、程度、支持度の改善、筋層の肥厚、尿生殖裂孔の狭小化、
安静時の骨盤臓器の位置の挙上が確認されたそうです。
つまり効果的にトレーニングを行えば
改善の見込みがあると考えられます。
実際、私の施設での症例でもほとんどの方が症状の軽減を体感しています。
手術の選択もあるでしょう。
しかし、手術は無理やり脱する臓器を止めているだけです。
骨盤底筋群の機能は回復していません。
骨盤底筋群は臓器脱がなくともしっかりと機能しておく必要があります。
つまり、たとえ手術を選択したとしても、骨盤底筋群はしっかりと鍛えておく必要があると私は考えます。
②排便の際にいきまない
③体重を増やさない
④くしゃみや咳は壁などを押して力を分散させる
⑤座り方に気をつける
いわゆる、お姉さん座りと呼ばれる座り方は骨盤底筋群の機能を低下させます
骨盤底筋群のトレーニングは事情に複雑で「できているつもり」でも実際は逆効果になっていることも多々あります。
実際、ヨガの先生などでもできているつもりで全くできていないこともあります。
ドローイントレーニング
放っておくと感染などのリスクも考えられるのでまずは医師の診断を受けましょう。
そして生活スタイルなどを顧慮して改善方法を選択しましょう。
どちらにしても骨盤底筋群のトレーニングは必要です。
できれば専門家の指導を受けましょう。
日本ではこのような分野の専門家、ウィメンズヘルス専門の理学療法士などが少ないのも事実です。
そしてこれらの骨盤臓器脱に対する理学療法は今現在では病院でも保険適応外のようです。
このようなことからも日本ではこの分野では決して進んでいるとは言えないでしょう。
そしてトレーニングにはある程度の根気が必要です。
程度にもよりますが目安として3ヶ月から6ヶ月は必要かと思います。
最後に
この記事は私の経験をもとに書いている部分もあります。
できるだけ誤解のないようにお伝えしていますが100%ではないことをご了承ください。
妊婦、産後のケア専門院 岩永朋之整体サロン 岩永朋之
『症例』
産後股に何かが挟まった感じがする
排尿や排便で不安感がある
尿もれがなかなか改善しない
陰部が引っ張られている感じがする
これらがよくある骨盤臓器脱の症状です。
Contents
・骨盤臓器脱について少し解説しましょう
骨盤臓器脱(POP:Pelvic Organ Prolapse)は骨盤内の臓器(尿道、膀胱、直腸、小腸そいて子宮)が膣内に下垂あるいは膣外に脱出することを言います。
ほとんどの場合臓器そのものに問題があるわけではなく支持機構である線維組織や骨盤底筋群、膣壁が脆弱化することで起こります。
・下垂した臓器によって名前が異なります
尿道瘤、膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、小腸瘤に分類されます。単発ではなく併発することもよくあります。
膀胱瘤が82.3%、直腸瘤が45.6%そして子宮脱が37.0%というデータが発表されています。
アメリカのデータによると80歳までの女性の40%が罹患するようです。
結構な高確率ですね。
・自覚症状
自覚症状は「股に何かが挟まっている感じ」
「股が心許ない感じ」
「陰部が引っ張られ重い感じ」
「椅子に座った際にグニュっとした感じ」
「陰部に卵のようなものを触れる」
などと行った感じです。
横になると症状を感じない
午前よりも午後に症状がます
と行った症状も特徴的です。
・骨盤臓器脱になる原因
原因は体質などの要因、手術、外傷、加齢による骨盤底筋群の弱化そして、妊娠、分娩
程度は違えで経腟分娩を経験した女性の50%に骨盤臓器脱があるとされるそうです。
それらは骨盤底筋群の損傷や断裂、神経の損傷などが原因となります。
未産婦に比較して8.4倍となるそうです。
・症状を悪化させる要因
直接的ではありませんが助長させる要因として便秘、肥満、慢性的な咳やくしゃみもあります。
これらが絡み合って骨盤臓器脱、子宮脱などの症状を出します。
・子宮脱の治療法、改善方法
治療法は大きく分けて手術と保存療法
ー手術ー
病院では程度が重度の場合やトレーニングなどの実施が難しい場合は手術を推奨されます。
手術は骨盤底の中にメッシュを入れて脱出した臓器を支える方法や筋肉や靭帯をポリプロピレンテープで
補強して固定する方法がとられることが多いようです。
ー保存療法ー
保存療法は
リングペッサリーを挿入する
サポート下着を着用
薬物療法(ホルモン補充、漢方)
骨盤底筋群などのコアシステムのトレーニング
などです。
ここでは骨盤底筋群PFMなどのトレーニングについて解説していきます。
・骨盤底筋群トレーニングで骨盤臓器脱、子宮脱などは改善するのか?
まずエビデンスですが有効性はいくつか報告されているようです。HagenやBraekkenらの報告によると
症状の頻度、程度、支持度の改善、筋層の肥厚、尿生殖裂孔の狭小化、
安静時の骨盤臓器の位置の挙上が確認されたそうです。
つまり効果的にトレーニングを行えば
改善の見込みがあると考えられます。
実際、私の施設での症例でもほとんどの方が症状の軽減を体感しています。
・手術を選択したとしてもトレーニングは必要?
生活環境や年齢などを考慮して日常に大きな影響を与えている場合手術の選択もあるでしょう。
しかし、手術は無理やり脱する臓器を止めているだけです。
骨盤底筋群の機能は回復していません。
骨盤底筋群は臓器脱がなくともしっかりと機能しておく必要があります。
つまり、たとえ手術を選択したとしても、骨盤底筋群はしっかりと鍛えておく必要があると私は考えます。
・日常で気をつけること
①重たいものを極力持たない②排便の際にいきまない
③体重を増やさない
④くしゃみや咳は壁などを押して力を分散させる
⑤座り方に気をつける
いわゆる、お姉さん座りと呼ばれる座り方は骨盤底筋群の機能を低下させます
・骨盤底筋群のトレーニング方法
ここでは簡単なトレーニングをご紹介いたします。骨盤底筋群のトレーニングは事情に複雑で「できているつもり」でも実際は逆効果になっていることも多々あります。
実際、ヨガの先生などでもできているつもりで全くできていないこともあります。
ドローイントレーニング
・まとめ
産後の方なら誰もが可能性のある子宮脱を始めとする骨盤臓器脱放っておくと感染などのリスクも考えられるのでまずは医師の診断を受けましょう。
そして生活スタイルなどを顧慮して改善方法を選択しましょう。
どちらにしても骨盤底筋群のトレーニングは必要です。
できれば専門家の指導を受けましょう。
日本ではこのような分野の専門家、ウィメンズヘルス専門の理学療法士などが少ないのも事実です。
そしてこれらの骨盤臓器脱に対する理学療法は今現在では病院でも保険適応外のようです。
このようなことからも日本ではこの分野では決して進んでいるとは言えないでしょう。
そしてトレーニングにはある程度の根気が必要です。
程度にもよりますが目安として3ヶ月から6ヶ月は必要かと思います。
最後に
この記事は私の経験をもとに書いている部分もあります。
できるだけ誤解のないようにお伝えしていますが100%ではないことをご了承ください。
妊婦、産後のケア専門院 岩永朋之整体サロン 岩永朋之
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