2024年10月31日 木曜日
産後の股関節痛
股関節が痛く赤ちゃんのお世話がこの先できるのか不安な方へ
しかし、股関節の痛みには注意が必要なものもありますのでこのページを最後まで読んでしっかりと理解してください。
一言で股関節痛と言っても
「どの場所」の「どんな組織」が「何が原因」で起きているかをしっかり判断しなければ施術も対策も変わってきます。
間違った対策をとるとどんどんと悪化していく可能性もあります。
Contents
・まず股関節の場所と痛む場所を確認しておきましょう
時々、股関節が痛いとご来院されても実際には全然違う場所ということもあります。 まずは下のイラストでおおよその場所を確認してください。股関節とはこの部分を指します。↓

外から触れるのはこの骨の部分です。↓

よく痛みを感じるのはこの前側↓

産後の股関節痛は何が痛んでいるのか?
股関節の周辺には骨、軟骨、結合組織(筋膜、関節包、靱帯など)、筋肉、神経、血管、リンパ管、脂肪 があります。産後股関節に痛みがあるということはこの中のどれかに問題があると考えられます。確率の高いものを一部解説します。
これらは単一的でなく複合的に問題を起こすことが多くあります。
産後、股関節の痛みが起こる原因は?
ではなぜ産後股関節の痛みが頻繁に起こるのでしょうか?①荷重の増加
抱っこでの重みや 立ち上がりの頻度が増えることで股関節への負荷が増えます。 ちなみに、床から立ち上がる時、股関節には体重の3倍から4倍の負荷がかかります。 抱っこしながら立ち上がる場合、そこに赤ちゃんの重みも加わりますし重心も崩れているため筋肉などを必要以上に使う可能性もあります。
②分娩でのダメージ
分娩時に股関節を開いたり力んだことにより股関節周辺の組織を傷めている事があります。
③組織の緩み
妊娠中から産後しばらくは関節などの組織が緩んだ状態にあります。 そのことにより不安定性が増し股関節周辺の筋肉か過剰な緊張を起こし痛みの原因になることがあります。
④構造の崩れ≒歪み
産後、全体の姿勢の崩れや日常生活動作の変化によって股関節にも捻れや軸のズレが起こってしまいます。 その状態で、負荷が増えることにより組織が痛む可能性があります。
⑤先天的疾患
生まれながらに股関節の疾患を持っていた場合です。 妊娠や出産をきっかけに股関節のアライメントが変わり痛み出す方もおられます。
れらの原因の多くは単発ではなく①〜⑤の組み合わせで起こることがしばしばです。
産後の股関節痛の施術
セルフケアの注意点
産後の股関節痛を改善しようとYoutubeやネットで検索するとストレッチなどが紹介されていますが 産後の股関節痛に限っては安易なマッサージやストレッチは危険です。産後の骨盤帯および股関節などの関節は不安定なことが多いのです。 不安定な部分をストレッチしたりマッサージしてしまうと余計に不安定な状態を作ってしまい悪化させてしまうことがあります。
関節が不安定であるがゆえに筋肉が過緊張している状態です。 このような状態をハイパーモビリティなどと呼びます。
訳あって緊張している筋肉や筋膜を単純に緩めてしまうと ダルマ落としのような状態になってしまいます。
一般的に股関節痛に対する施術
電気治療マッサージ
ストレッチ
骨格矯正
一般的に産後の股関節痛に対してはこのような施術が行われますがセルフケアと同じく間違ったところを緩めてしまうと悪化の原因になってしまうので注意が必要です。産前産後の症例が多いところで施術を受けられることをお勧めします。
当サロンの施術
鑑別どの組織にどのような負荷がかかり痛みが出ているのかを判断するための動作チェックや姿勢のチェックをしっかり行います。
施術
施術すべきポイントを絞り傷んだ組織にあった施術を行います。 その後、全体のバランスを整え神経、循環系の疎通を改善ししっかりと安定できる状態を作ります。
臼蓋形成不全がある場合
臼蓋形成不全がある場合でも産前まで痛みや症状がなかった方はほとんどのケースで改善することができます。しかし、産後は日常生活に比べ負荷が多いため少し期間がかかる事があります。気づいた時には股関節が開かない!なんてケースも・・・
よくあることですが股関節の痛み以外で来院された産後の方のお身体をチェックしていると 股関節が開かない事があります。 痛みもないし日常生活で動かす範囲では全く問題ないため 股関節が開かなくなっていることに気づかないのです。しかし、このまま使い続けると・・・
股関節がどんどん開かなくなり、日常動作にも支障をきたし炎症などがおき場合によっては股関節の変形などの経過をたどることもあるので注意が必要です。
最後に
股関節には上半身からも下半身からも大きな負荷がかかります。 体の要になる場所です。痛みが出ているということは何かしらの問題が起こっています。 そこに負荷がかかり続けるとドンドン組織は壊れていきます。
変形性股関節症という股関節の疾患はほとんどが負担の蓄積から起こります。
問題が大きくなる前にしっかりと整えておくことを強くお勧めいたします。
もし少しでも違和感があるようでしたらすぐにご相談ください。