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産後の股関節痛
2017年12月28日 木曜日
産後、体のあちこちが痛くなるその中でも股関節の痛みと開かなくなったなどの症状を訴える方は多くいます。ではその股関節の痛みはなぜ起こるのでしょうか?
どうすれば早く改善することができるのでしょうか?産後ケアの専門家の目線で解説して行きましょう。
この記事の目次
・あなたはこんなお悩みありませんか?
産後、立ち上がろうとすると股関節が痛い寝返りの時に股関節がズキっとする
横向きで寝ると股関節が痛い
これらは産後特有の股関節の症状です。
・まず股関節の場所と痛む場所を確認しておきましょう
時々、股関節と別の場所を間違えて来院される方がおられます。
まず股関節とはこの部分を指します。↓

外から触れるのはこの骨の部分です。↓

よく痛みを感じるのはこの前側↓

・産後、股関節の痛みが起こる原因は?
ではなぜ産後股関節の痛みが頻繁に起こるのでしょうか?①荷重の増加
妊娠中の赤ちゃんの重み、そして抱っこや
立ち上がりの頻度が増えることで股関節への負荷が増える。
ちなみに、床から立ち上がる時などは体重の3倍から4倍の負荷がかかるそうです。
②分娩での負荷 分娩時に股関節を開いたり力んだことにより股関節周辺の組織が痛んだ
③組織の緩み
妊娠中から産後しばらくは関節などの組織が緩んだ状態にあります。
そのことにより不安定性が増し股関節周辺の筋肉か過剰な緊張を起こします。
そのことにより痛みが発生します。
④構造の崩れ≒歪み
妊娠中、産後は特に腰の反りがきつくなる傾向があります。
そのことにより運動連鎖が起こり股関節にも捻れや軸のズレが起こってしまいます。
その状態で、負荷が増えることにより痛みが出てしまいす。
⑤先天的疾患
生まれながらに股関節の疾患を持っていた場合です。
中でも多いのが股関節臼蓋形成不全といって股間説の受け皿の部分(骨盤側)が
しっかりとできておらず、関節のハマりが浅い方がおられます。
妊娠前から痛みや歩行の時の違和感などの症状がある方もおられますが、
妊娠や出産をきっかけに股関節のアライメントが変わり痛み出す方もおられます。
これらの原因の多くは単発ではなく①〜⑤の組み合わせで起こることがしばしばです。
・恥骨や骨盤底筋群の痛みを股関節の痛みと勘違いされている方も・・・
股関節の痛みを訴えられてが来院された方も良く検査していくと実は股関節や骨盤底筋群の痛みが放散して
股関節の痛みと感じておられるケースもよくあります。
どちらにしても症状は良く似ており
動き出しの痛みや寝返りの痛みなど負荷がかかったときの痛みがほとんどなのです。
・気づいた時には股関節が開かない!なんてケースも・・・
よくあることですが股関節の痛み以外で来院された方の動きを検査していくと股関節が開かないと言うことがよくあります。
痛みもないし日常生活で動かす範囲では全く問題ないため
股関節が開かなくなっていることに気づかないのです。
しかし、このまま使い続けると・・・
股関節がどんどん開かなくなり、日常動作にも支障をきたし
炎症などがおき場合によっては股関節の変形などの経過をたどることもあるので注意が必要です。
・動きをチェックしよう!
まずはあなたも股関節のどの動きが痛いのかチェックしてみましょう。
股関節は球関節と行ってお皿の上にボールが乗ったような形状ですのであらゆる動きができます。
屈曲↓

伸展↓

かいはい↓

内旋↓

外旋↓

外転↓

内転↓

・改善方法
よく産後の股関節痛と検索するとストレッチなどが紹介されていますが産後の股関節痛に限っては安易なマッサージやストレッチは危険です。
上記の【原因】の項目でも触れましたが
産後の骨盤帯および股関節などの関節は不安定なことが多いのです。
関節が不安定であるがゆえに筋肉が過緊張している状態です。
カイロプラクティックではこのような状態をハイパーモビリティなどと呼びます。
つまり訳あって緊張している筋肉を単純に緩めてしまうと
ダルマ落としのような状態になってしまい
ガクガクになってしまうことや余計に痛みが増すこともあるのです。
私が施術する場合
施術する場合は骨盤や体全体のアライメントを整えて神経や血管の疎通を改善し
筋肉がしっかり出力できる状態を作ります。
そいて骨盤底筋群などの再教育を加えながらそれでも筋肉に緊張が残る場合は
解除して行くと言った流れになります。
セルフケア
お家でご自身でケアする場合はストレッチよりもまずは「周辺を安定させる」ということが重要です。
ステップ1 骨盤底筋群を鍛えましょう
ステップ2 骨盤の角度を調整しましょう
ステップ3 内転筋群と骨盤底筋群を鍛えましょう
ステップ4 臀部の筋肉を鍛えましょう
あまり動きが出るトレーニングではなくその場で力が入るようなトレーニングがおすすめです。
これらを行なってもなかなか痛みが改善しない場合
やり方が今ひとつわからない場合
痛みが強い場合
臼蓋形成不全などの先天的な問題がある場合
腫れがある場合
熱っぽい感じがある場合
などは専門家に相談するようにしてください。