恥骨痛(恥骨結合離開)
産後の恥骨痛。起き上がる時にズキッとする痛みの程度のものから、歩くこともできない・・・赤ちゃんも抱っこできない・・・寝返りも打てない・・・そんな重症のものまで。分娩時の負荷により恥骨はダメージを受けます。病院では「そのうち回復するから様子を見るしかない」と言われてしまうケースがほとんどですがしっかりとポイントを抑えれば重症のケースでも割と早期で回復します。そんな恥骨痛について詳しく解説していきましょう。
起き上がるのも・歩くのも辛いその恥骨の痛み ケアすれば必ず改善し赤ちゃんも抱っこでき、寝返りもしっかり打てるようになります
Contents
こんなお悩みありませんか
恥骨の場所は?
おへそに手を当て徐々に下げていくと硬い骨にあたります。
それが恥骨です。
恥骨は骨盤の前側にあたり、恥骨結合と言われる軟部組織で固く結合されています。
*恥骨結合とは左右の恥骨をつなぐ繊維軟骨で、
衝撃の吸収や骨同士の接触による損傷を防ぐクッションのような役割をします。
恥骨結合の上側は上恥骨靭帯、下側は恥骨弓靭帯が付着し恥骨結合を補強しています。
恥骨結合は強靭な結合組織で固定されているのでほとんど動くことがありません。
恥骨痛(恥骨結合機能不全)はなぜ起こるのか?
①ホルモンの影響
妊娠期から出産に向けてリラキシンと言われるホルモンにより関節が緩みます。
その際、恥骨結合も緩み(平均2〜5mm)それが痛みの原因となります。
プロゲステロンやHCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)も影響すると言われています。
②荷重
妊娠中は胎児や羊水の重さ・産後は赤ちゃんの抱っこなどにより負荷がかかり痛む原因になる。
③分娩による負荷
吸引分娩・鉗子分娩・無理ないきみが影響を与えると考えられています。
分娩の際は恥骨結合への圧力が強く掛かりやすくなります。
重症の場合は恥骨結合が裂け1cmも離開してしまうこともあります。
④骨盤の状態
元々、骨盤自体が小さい方や骨盤の歪みがある方、骨盤周囲の筋力が弱い方は、
恥骨の痛みを生じやすい。
いつからーいつまで続くの?
妊娠15週以降から始まる方が多く、産後すぐに痛みが引くこともおられますが、悪化し数ヶ月続く方もおられます。
人によっては一旦治っても再発することもあります。
放っておいても治る?
体力が回復してくると、自然に回復してくる方もおられます。
しかし、筋力が弱い方や体力がない方は症状が長期化することもあります。
また、骨盤に少しのズレがある状態で固まると違和感や痛みをずっと抱えることもあります。
妊娠中も痛みがあることにより運動量が減ってしまい体力の低下につながることもあります。
再発する可能性が高いです
上記したように自然に回復してくる方もおられますが、恥骨痛(恥骨離開)は再発率の高い症状の一つです。
それは、歪みを残したままの状態や骨盤底筋群の機能が十分に回復していないからです。
改善するの?
しっかりとしたケアを受ければ必ずと言っていいほど恥骨痛の改善は速まります。まずは一人で悩まないでご相談ください。
日常の注意点は?
・重いものを極力持たない
・崩した座り方(お姉さん座り)をしない
・姿勢(猫背など)
特に座り方には注意
特に座り方には注意が必要です。
足を組むのもよくありませんが
特に床で足を流した座り方、いわゆるお姉さん座り。あれが最悪です。
あれの骨盤への圧力の偏りは想像以上のものです。
絶対にやめましょう。
セルフケアは?
・骨盤底筋群を鍛える
・骨盤底筋群と連動する筋肉を鍛える
・姿勢を正す
・骨盤ベルトを利用する(補助として)
注意:筋力トレーニングや骨盤ベルトでも症状は和らぎますが、時期や方法を間違えると逆効果になってしまいます。
また、骨盤に歪みがある状態ですと痛みが増す場合がございます。 妊産婦ケア専門の整体院や助産師などにご相談ください。
骨盤ベルトはあくまでも補助的なものとお考えください。骨盤ベルトを長期間使用することによって回復が遅まる場合がございます。